あまりの大きさに思わず合掌、牛久大仏年越しカウントダウン

今年の年末年始は関東で過ごすことになったため、一度行ってみたいと思っていた牛久大仏のカウントダウン花火イベントに行ってきた。

 

牛久大仏とは日本が世界に誇る世界最大のブロンズ製大仏で、その大きさ全高120m。奈良の大仏(全高18m)が手の平に載るという巨大さで、年末に行われるカウントダウンイベントでは大仏間近から花火が上がり、誰もが思わず合掌してしまうという。

仏教徒なら一度は行ってみたいという思いがあり、このカウントダウン花火をカメラに収めるべく牛久に行ってきたのである。

 

日暮里から常磐線で揺られること1時間弱、夕暮れ時の牛久に到着する。

 

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早速の大仏推しである。

 

イベントは夜の11時頃から始まるため、一旦ホテルで休憩である。

牛久大仏へはタクシーで20分ほどかかり、帰りにはタクシーをなかなか捕まえられないため、電車の場合もレンタカーを借りておくことをおすすめする。

 

10時頃まで駅前のホテルで時間を潰し、いざ出発。牛久の夜はかなり冷え込むので防寒対策はしっかりしておきたい。

10時半頃の到着時点でかなりの人が集まっており、開門待ちは長蛇の列であった。

 

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入口周辺には色々とお店があり、土産物を売っている

 

事前に聞いていたのよりも少し早い10時45分に門が開き、参拝客が敷地内になだれ込む。ここが勝負といそいそと大仏前に陣取り、無事三脚をセットすることができた。意外にも三脚をセットしているようなアマチュアカメラマンは多くなく、また敷地も広いためそこまで混雑していないのが幸いであった。

 

実際に牛久大仏を目の前にするとこれがもうとにかく大きい!スマホは勿論、一眼レフの標準ズームでも厳しいほどのサイズで、前情報から超広角レンズを持って行って正解であった。

 

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とにかくでかい。

 

さて、カウントダウンイベントはここからである。11時からカウントダウン前花火が打ち上げられ(3000円で名前を呼んでもらえる)、11時30頃に一旦花火が中断され、大仏のライトアップと読経が始まる。

花火と大仏のコントラストが新鮮であり、またライトアップされた大仏には独特の迫力とありがたみがあり、思わず合掌。

今のカメラを買ってから初の花火撮影だったが、無事写真に収めることができた。

 

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大仏前の花火は普通の花火大会とは全く違う迫力がある。

 

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ライトアップされた牛久大仏

 

そしてクライマックスはもちろんカウントダウンである。牛久大仏の管轄は浄土真宗東本願寺であり、阿弥陀如来をかたどっている。このため、掛け声はもちろん南無阿弥陀仏。6秒前からのナ・ム・ア・ミ・ダ・ブツで年を越すという浄土真宗門徒にぴったりの年越しである!

そして年明けと同時に大仏前から物凄い勢いで花火が上がる様はまさに西方浄土

ある種日本最大のカウントダウンイベントと言えるだろう。関東近郊にお住いの方は是非一度体験してみてもらいたい。

  

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この迫力である

 

ちなみに花火であれば夏のお盆の時期にも牛久大仏万燈会というイベントが行われているので、一年待てないという方はそちらに行ってみるのも良いだろう。

 

 

 

牛久大仏忽然の貌―世界一の阿弥陀像完成までの1765日を記録 荒海美子・牛久きちい・大谷淑子写真集 (BeeBooks)

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聖☆おにいさん(1) (モーニングコミックス)

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夜の新宿への招待 ~ゴールデン街・新宿二丁目~ 前編

※これは伝道師になろうアドベントカレンダー23日目の記事です。 

 

昨日の記事はregicatさんのセカンドライフって電通が流行らそうとしたアレでしょ?というあなたにでした。

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-- 本編ここから --

今年僕の界隈で話題になった本に、「東京どこに住む?」がある。

 

 東京の引っ越し事情における長い西高東低状態から東側の復権(※これまで東京は中央線沿いや東横線沿いなどの西側が人気だったが最近東京駅周辺の東側の人気が出てきている)や、東京一極集中の歴史、IT企業が未だに都市に集中している理由など、都市論が好きな人にはたまらない内容だが(読んでいてかなり楽しい)、人が住む場所を決める理由にも1つ章が割かれており、財布との相談やブランド意識(未だに何が何でも東横線なんて人がいるのだ)、LGBTコミュニティの存在など、人それぞれの住宅決定事情が取材されている。が、実はまえがきにも書かれているように、意外と人は引っ越し場所を決めた理由が「何となく」だったり「覚えていない」だったりするのである。現実的には職場へのアクセスと財布との相談で決めている人が多いのではないか。

 

そんな中でも、僕には明確な引っ越し理由がある。それは"夜の新宿が好きだから"である。僕は元々千葉県某市に住んでいたのだが、新宿で飲む機会が増えたこともあって引っ越し先を東京西側にした。今は新宿から歩いて帰れる場所に住んでいる。

 

夜の新宿というと、椎名林檎のこの曲や、

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このゲームのように 

 

龍が如く6 命の詩。 - PS4

龍が如く6 命の詩。 - PS4

 

 

 歌舞伎町をイメージされるかもしれない。

だが僕が飲む街はそこではない。歌舞伎町のすぐ隣のゴールデン街と、そこから少し離れた新宿二丁目である。今日はこのゴールデン街と二丁目の魅力について語りたいと思う。

前編はゴールデン街についてご案内する。

 

ゴールデン街

 

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新宿区役所から区役所通りを挟んだ反対側、ミスタードーナツの脇にかつては川だったと思われる小道がある。新宿を訪れた際、この奥には何があるのだろうと想像を膨らませた方もいるかもしれない。実はこの奥に新宿ゴールデン街がある。

※後述するが花園神社側から入るルートもある

 

文化人の街、ゴールデン街

ゴールデン街

東京に数ある飲み屋横丁の中でも、とびきりディープな街として知られ、わずか50m四方ほどの一画に200店舗以上のバーや小規模飲食店が密集している。この街の何が特別なのか。それはこの群を抜く密集度と、文壇バーをはじめとした個性的なバーの数々である。文壇バーはこの街を代表する文化であり、昭和40年頃から作家や編集者、評論家が集まってきた歴史を持つ。例を挙げれば、漫画家の赤塚不二夫や画家の岡本太郎が常連であったと言われるし、歌人俵万智が不定期で働くバーがあったのは有名である。近年だと映画評論家の町山智浩氏や元ナックルズ編集長の久田将義氏がゴールデン街について言及している。ここでは名前を出さないが、すぐ隣に座っている紳士に見覚えがあるのでよくよく見たら評論家だったこともある。

このような歴史を持つ街のため、文化好きな人の割合が高く(妙に詳しい謎のおじさんがまた面白い)、今夜も色々なバーで映画や文学、サブカルチャーの話が繰り広げられているのだ。

あの頃のインターネットの面影を求めて

僕がこの街に通うようになったのは、全く関係ない話に思われるかもしれないが"あの頃のインターネット"に初めて触れた時の感動を再び味わうことができたからである。

"あの頃"というのは、具体的には2000年前後のインターネットである。

僕が生まれたのは1986年。小学生の頃に地下鉄サリン事件(1995年)が起き、今では考えられないが麻原彰晃の空中浮遊ネタ(勿論ジャンプした瞬間を撮影しただけなのだがネットのない当時は信じている人が結構いた)や尊師マーチをはじめとした洗脳ソングが一日中テレビで流れ(※このため小学校の帰りにリコーダーで尊師マーチを吹くのが流行った.音楽の授業を真面目に受けるのはこのためであった)、また同時期に学校の怪談ブームが起き、日常的にトイレの花子さんやテケテケといった怪談話が噂として語られていた。心霊番組や超能力番組も定期的に放送され、オカルトネタが一世を風靡していた。さらに父親週刊新潮の読者だったため、盗み読みするうちに小学生ながら週刊誌にハマり、同級生がジャンプを読んでいる間に週刊新潮を読んで新興宗教や犯罪や暴力団について知識を蓄える日々を送っていた。加えて、97年の神戸児童連続殺傷事件東電OL殺人事件、00年の世田谷一家殺害事件などが連日報道され、世紀末を控えた世情は妙な暗さを伴っていた。

 

このような育ち方をしたため、僕は心霊、超能力やUMAなどのオカルトネタから暴力団、新興宗教、シリアルキラー、ドラッグ、凶悪犯罪などのアングラネタ、すなわち反社会的なネタに関しては一通り手を出しているアングラ少年となった。

※ちなみに僕はその後理系に進み、今では当時とは正反対のオカルトネタ暴きを楽しむタイプのオカルトマニアとなっている。理由は1999年のノストラダムスの大予言が外れたからである。僕は真剣に世界の終わりを願っていたが、1999年7月7日は何事もなく訪れた。世界は滅びなかったが僕のオカルト世界は終わりを迎えた。

 

 ところが、ここまでディープな趣味となると思う存分話せる環境がなかなかない。そんな時我が家にやってきたのがパソコンとインターネットだった。

00年前後のインターネットはまだまだアングラだった。当時隆盛を誇った巨大掲示板、2ちゃんねるについての初の書籍であろう2ちゃんねる宣言が出版されたのが2001年。

 

2ちゃんねる宣言(増補版)挑発するメディア (文春文庫PLUS)

2ちゃんねる宣言(増補版)挑発するメディア (文春文庫PLUS)

 

 

2ちゃんねるに犯行予告らしき書き込みを行っていたことが話題を呼んだ西鉄バスジャック事件、いわゆるネオ麦茶事件が起きるのがまさに2000年であった。

この時期のインターネットには、ちょっと探せば(当時は検索エンジンもそこまで成熟しておらずアングラ系サイトのリンク集を辿ることが多かった)睡眠薬横流し用掲示板や集団自殺の募集掲示板が見つかり、「これは凄いものがやってきた!」という感動と共に小規模掲示板に入り浸る日々を送った。ドラッグの話も凶悪犯罪の話も通じる世界。そこはまさに、少年時代の僕が見たフロンティアであった。

 

話がインターネット懐古になってしまったが、ここでゴールデン街に戻ってくることとしよう。さすがに最近はどストレートなアングラネタを話すことは少ないが、「ちょっと変わった話が通じる空間」として、ゴールデン街には当時のインターネット以上のものがある。僕の記憶に残っている話は以下のようなものである。

 

・何故かB級サメ映画に詳しいおじさん(シャークネードってご存知ですか?)

東電OL殺人事件と渋谷円山町の歴史(ダムに沈んだ村の人が円山町のホテル街を作った)

・裏カジノを冷やかしに行ったお兄さんの体験談(ディーラーの小指がないらしい)

 

いずれも妙に気を惹くものがあり、しかも普通の映画や文学などにも詳しい人がいると「この人は何者なんだ!?」という気分になる。

僕はこのように色んな話題になぜか詳しい人を"新宿の無形文化財"と呼んでいる(多分僕しか使っていないので是非とも使って頂きたい)。

 

ゴールデン街へのアクセスと楽しみ方

 

さて、実際のゴールデン街の楽しみ方について語るとしよう。

ゴールデン街に行くには、新宿駅から入るルートと、新宿三丁目駅から入るルートの2種類がある。地図の左側がこの記事の冒頭で紹介した新宿区役所側ルート、右側が新宿三丁目駅ルートである。新宿三丁目駅から通ずるルートに関しては、花園神社を通過することとなる。幅の狭い階段を下りれば、そこがゴールデン街である。

 

初めてゴールデン街に行く際は慣れている人に連れ言ってもらう(いつでも僕がご案内します)のが楽しいが、都合が合わなければ一人で行っても楽しめる。いわゆる「一見さん」でも大丈夫なのか?と心配される向きもあると思うが、最近は一見さんお断りの店などはまずないので安心して欲しい。インターネットを検索すれば、初めての人が多く訪れるバーの情報が見つかるのでまずはそこに行くと良いだろう。僕のおすすめは月に吠える(ここでは語らないが僕は萩原朔太郎の大ファンでもある)とバー図書室(図書室をテーマにしたバーで大量に本が置いてあり借りることも可能)である。あ、それから小腹を満たしたい時は(煮干しラーメン屋で常に行列.歌舞伎町店もあるが食べるならやはりゴールデン街)かクリシュナばるぼら屋...と語り出すと止まらないのでここらへんにしておこう。初めての場合は「ゴールデン街はじめてなんですよ」と言えばマスターや常連さんがおすすめのお店を教えてくれるだろうし、酔いが回るまで淡々と酒を飲みつつ、盛り上がっている話に加わっていくのも良い(そういうわけで最初はある程度人が入っているバーに行くと良い)。

 

さて、最初のお店で盛り上がった後はハシゴ酒をやってみよう。集積度を活かしたハシゴがゴールデン街の楽しみである。まさに「ちょっと一杯のつもりで飲んで、いつの間にやらハシゴ酒」の世界が広がっている。

 

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飲んで楽しみ、落ち着いた頃合いでまた別の店へ...この楽しさも僕がゴールデン街にハマった理由の1つである。その時には別のお客さんがおすすめのバー(何しろ大量にバーがあるので行ったことない店のほうが多い)を教えてくれることもあるし、一人でふらふらと初めての店や馴染みの店に行くのも良い。

僕のいつもの楽しみ方としては、常連になっているバーがあるのでまずそこで飲む(どこかは僕と飲んだ時のお楽しみということにしたい)、そこで1時間ほど楽しんだら、話の中で出たバーや前に行って楽しかった店に行き、そこでまた楽しんで...と3軒ほどハシゴして終電近くの電車で帰る。万一終電を逃した際も歩いて帰れるのが引っ越した利点である。また、終電を逃した場合はそのまま帰らず朝まで飲むのもまた楽しい。

店から店へとハシゴして楽しむ様はまるで遊園地のアトラクションを巡る客のよう。

そう、ここは大人のテーマパークなのだ。

 

皆さんにも是非JR新宿駅東口を出て、ゴールデン街で遊戯してみて欲しい。

 

 ゴールデン街愛を語るうちに4000文字を超えてしまった。ゴールデン街と並んでディープな街、新宿二丁目については後編で語りたいと思う。

 

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明日の記事はnkjmさんの"メリークリスマス!さいきんのさいきんのはなし、書きます"です。

呪われた装備に魔法をかけて ~僕が女装する理由~

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※これは伝道師になろうアドベントカレンダー4日目の記事です。

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昨日の記事はせきゅーんさんによる

好きな(曲, 部分)を伝道する - インテジャーズ

でした。

 

--ここから本編--

 

皆さんは呪われた装備というものをご存じだろうか。

RPGに出てくる、一度付けると外せなくなる装備のことである。

 

今日は呪われた装備の話から出発し、僕が頻繁に聞かれる「なぜ女装するのか?」という質問への答えも絡めながら、女装・コスプレの魅力についてお伝えしたいと思う。

 

皆さんの人生を思い返してみて欲しい。生まれつき自分が持っている属性の中で、ままならないものはないだろうか。人によってはそれが性別であり、またあるいは血筋かもしれない。そしてもしかしたら、それは「外見」かもしれない。

僕が思うに、外見こそが現代社会に残る呪われた装備である。

我々の社会はこれまで、「生まれつきの属性で人生が決まってしまうこと」を極力抑える方向に進んできた。

 

機会の均等と種々の自由。

 

PS one Books 街~運命の交差点~ サウンドノベル・エボリューション3

チュンソフトサウンドノベル3部作の中でもカルト的人気を誇る「街」

1つ1つの選択がその後のストーリーに影響を与えていく。意外に有名な役者が出てたりする。

 

我々は自分の意思の下、人生において発生する膨大な分岐点において選択を行う。これこそが自分の人生を"自分のもの"たらしめる理由である。

生まれに関係なく、我々は後天的な努力で階層上昇を成し遂げ、自己実現を達成することができる。

トランプ大統領誕生でにわかに注目を集めているHillbilly Elegyの著者 -米国の貧しいラストベルト地帯からイェール大学に進学し、現在はベンチャー企業の代表を務める-はその典型だ。

※この信仰が強すぎると弱者しばきに繋がるのだがここでは置いておく。

 

自分なりに納得して人生の選択を行い、努力を重ね、自己実現している我々...

 

ところが、ここに後天的な努力ではなかなか解決できない呪いの装備が存在する。それが身体的特徴である。

鏡に向かう時、我々は嫌でも自己の体というものに向き合わざるを得ない。が、そこにコンプレックスがあったとしたらどうだろう。これを根本的に解決する方法は今のところ、SFの中にしか存在しない。そう、義体化である。

 

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊

 

攻殻機動隊の世界においては、もはや肉体はただの入れ物にすぎない。呪われた装備である身体を「後天的努力」の軍門に下すことのできる世界なのである。そして、脳すら機械に置き換えることのできる世界においては、個人を個人たらしめるものはSFらしからぬ霊的な概念-ゴースト-でしかありえない。

 

意識がSFの世界に飛んでしまった。話を現実に戻そう。

 

義体化が実用化されるとしても、勿論ずっと未来である。我々は呪われた装備である身体と一生付き合っていかなければならない。

 

もしも自分の外見が気に入らなかったとして、現在のところ、対処策としては2つの方向が存在する。 

  1. 外見を赦すことなく、他の価値(後天的努力で勝てる部分)向上で勝負する
  2. 自分の外見を赦す方法を探す

 1つめは分かりやすい。外見に納得がいかない分、他の部分で努力して自分を受け入れる方法である。実際、この方法で自分を受け入れている人も多いことと思う。ただし、この方法には1つ懸念がある。努力による承認がほとんどを占めてしまった場合、

 

「努力しない状態の自分 ― ゴーストに価値はあるのか?」

 

 という疑問、あるいは恐れが湧いてしまうのだ。

 

唐突だが、ここで1冊のナンパ本を紹介しよう。

 

世界で最も売れたナンパ本とも言われる、ザ・ゲームだ。

 

ザ・ゲーム 退屈な人生を変える究極のナンパバイブル (フェニックスシリーズ)

 弁解しておくと、僕自身はナンパ師が嫌いで(何度かナンパされたこともあるがあまり気持ちの良いものではない)、この本を買ったのもナンパの勉強目的ではない。

一時期勉強していた催眠がナンパ師に利用されていると聞いて、僕が割と真面目に勉強している技術をインチキナンパ師がどう悪用しているか見てやろうと思ったのが購入の理由である。

 

さてこの本、「ナンパバイブル」などと銘打たれているが実はナンパのHowToはほとんど出てこない。中身は小説仕立てになっており(一応ノンフィクションということになっておりパリス・ヒルトンをナンパした話なんかが出てくる)、良い大学を出たものの全くモテない主人公が、ナンパの師匠に出会うことによってナンパ業界でのし上がり、女性を意のままに落としていく...というモテない男性への自己啓発のような内容なのだ。

途中までは。

ところが、物語はそこでは終わらない。

実は途中から、ナンパのし過ぎで学業がおろそかになって退学した学生や会社をやめた男が出てきて、ナンパ師達がナンパ目的で借りた家にもナンパにしか興味がない社会不適合者が入り浸るようになり...やがてはナンパコミュニティが崩壊していく話なのである(正直この本がナンパバイブルになっている理由がよく分からない)。

 そして有名ナンパ師になった主人公=筆者はどうするか。実はナンパテクニックが通じなかった女性と一緒になってしまうのである!

これはつまりどういうことかというと、ナンパテクニックのような「後天的に身に着けた能力」で寄ってくる女性ではなく、「後天的な要素とは関係ない自分=ゴースト」を受け入れてくれる存在に主人公は安住の地を求めたのではないかと僕は思うのである。

 

それでは2つめの方法はどうだろう。自分の外見を赦す方法を探してみるというものだ。

そう、ここでようやく出てくるのが女装である。

 

僕が女装を始めたのは1年半ほど前。ある初夏の夜だった。

当時付き合っていた女性と別れてすぐだった僕は、何気なくツイッターに流れてきた「男の娘」画像を見て「ちょっと男の娘でも見てみるか」とばかりに当時新宿で行われていた日本最大の女装・NHイベント、プロパガンダに足を運んだのだった。

 

youtu.be

今年終わってしまいましたがこのようなイベントです↑

 

思い切り非日常な空間で興奮しながらも、何気なく女装ブースの料金表を見ていた時にメイクのお姉さんに言われたのがこの一言だった。

「お兄さん、顔小さいし童顔だから絶対に女装が似合うよ」

と。まぁ一生に一度くらいはやってみるか、と思った僕は酔いの勢いもあってメイクをお願いすることにした。

確か20分ほどだったと思う。変身後の自分を見て驚いた。そこで僕は初めて、「女装=外見で魅せる行為が似合う自分」を発見したのだった。

これまでコンプレックスだった、小柄、童顔、声が高いという特徴が、全て女装では有利に働いた。

そして、自分の体に対して、こんな素質があったのに活かしてやれなかったのか、と謎の贖罪意識が沸いてきた。

それから僕は、月に何度か女装イベントやコスプレイベント、ゴスイベントに足を運ぶようになった。

そこで気付いたのは、人それぞれに色々な外見的特徴があるが、統一的な美の基準というものはなく、それぞれの世界には各々の美と承認が存在するということだ。

何も筋トレと日サロに行ってウェイ系のようになっている男性が絶対的な美というわけではなく、それぞれの世界にはそれぞれの美しさがあり(ゴスなどウェイ系と真逆だが美しい)、人それぞれ自分の生まれ持った身体で世界観を作ることができれば、それだけで価値がある=その世界観が似合う自分の外見を発見することができるのだ。

 

女装が似合うという素質を活かし、呪われた装備である外見を受け入れる、ひいては自分を受け入れるため。それが僕が女装する理由である。

女装パーティーやコスプレ会場に足を運べば、あなたも自分の装備を受け入れるきっかけを見つけられるかもしれない。

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明日の記事は、rgbten084さんの料理男子の弁当Hackです。

『噂の眞相』とは何だったのか——『現代日本の批評』番外編【ニッポンの闇 #2】

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昨夜は久々に五反田のゲンロンカフェへ。

行ったイベントは「ニッポンの闇!追悼噂の真相」である!

子供の頃から週刊新潮に親しみ、中学校では黎明期のインターネットとムー、十代後半ではナックルズとオカルト・反社会ネタには一通り手を付けてきた僕にとって、それ以前の世代におけるアングラマガジンである噂の真相噂の真相の休刊と2ちゃんねる宣言刊行は共にゼロ年代前半であり、このあたりが文化の入れ替わりにあたる)は実に興味深く、また元ナックルズ編集長の久田さんを生で見られるとなるとこれは行くしかなかったのである!

イベントは噂の真相の歴史を辿る形で展開されたが、やはり伝説のウワシン、エピソードが濃い。皇室ポルノで右翼に襲撃される雑誌など昨今ではなかなかない。あと小林よしのりとの対決も戦争論を読んでいた世代(※今はリベラルです)としては大変懐かしい(あれを機に左翼をぶっ叩くようになったらしい)。

本筋の他にも色々と話は脱線していたが、特に興味深かったのはかつておニャン子ファンだった東浩紀が、いまいちAKBにノれない理由であった。彼が言うには、おニャン子にはアイドル文化への悪意があったが、AKBには悪意がないというのだ。つまり、
・それまでのアイドル文化への悪意で作られたのがおニャン子であり、そこらへんの女の子でもシステムでアイドルに祭り上げられてしまう(何故ならファンの君らがバカだから)という悪意が透けている。
→それを真に受けて真面目にパクり、「あっ売れちゃったよ」となったのがモー娘。
→「パクったのならこっちも本気でやろうじゃないか」と作られたのがAKB
というわけである。

時間は当初の予定を過ぎ、とにかく濃い3時間であった。ちなみに僕が言うオカルト反社会ネタというのは下記のようなものである。
・政治とカネ
暴力団
・芸能界のウラ
・宗教団体(特に新興カルト)
・差別とその構造
・超常現象
・未確認生物
・凶悪犯罪
・未解決事件

 

 

昭和・平成「未解決事件」100の衝撃の新説はこれだ!

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ムー的未解決事件

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超常現象の正体 (別冊宝島 2505)

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ぼくらの昭和オカルト大百科 (大空ポケット文庫)

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伝道師になろう vol.4

2016年9月18日、伝道師になろうというイベントの第四弾に行ってきた。

 

このイベントには第二回から参加しているのが、「何かを好きでたまらない人が知らない人に魅力を伝える」というコンセプトのイベントで、内容がなかなか濃い(和歌や近代詩などの文学から芸術,そうめんまで)ので毎回楽しみに参加している。

 

僕が参加している理由は内容だけではなく、会場の雰囲気が良いからというのもある。東京では日々勉強会が行われており、IT系の僕も勉強会やLT会を主催していたことがある。さすがは東京だけあって、勉強会関連のサイトで告知すればすぐに人は集まるのだが(特に言語名やバズワードが付くイベント名にした場合)、難しいのはここから先で、主体的に参加してくれる人を探すのが難しい。主体的にというのは具体的には発表や主催の手伝いをしてくれる人で、一般告知からの流入をメインにすると、少し話題になった勉強会荒らしの人達(多量の勉強会に参加予定にしているにも関わらずほとんど発表や交流をせずドタキャンも普通にする)が結構な割合になる。このため次回の発表を募集してもなかなか手が挙がらない。これは恐らく目的として、勉強会自体を楽しむというよりは、何か得になる情報を探しにお客様モードで来る人が多いためだ(個人的には数時間の勉強会でスキルが付いたら誰も苦労しないと思う)。このため、現在はITに関してはクローズドな勉強会を行っている。

一方の伝道師になろうは毎回発表者がしっかり集まっており、また質疑応答も活発だ。これは母集団にもともとの知り合い同士がそれなりにいるのもあるが、最大の違いは会自体への参加スタンスだろう。つまり、"誰かが教えてくれる役立つスキル云々を受け身で吸収する場所"ではなく、"自分を含めた誰しもが持っている好きなことを伝える場所"にすることに成功している。これは今後の僕の勉強会でも生かせればと思っている。

 

さて、色々と所感を書き連ねたところで各伝道の感想を述べていきたい。

 

1. 数学和歌を詠もう

数学の要素を入れた和歌、"数学和歌"の魅力について。僕も発表者と同じイベントに参加していたのだが、和歌の折句や物名といった技法に数学用語を当てはめていく作業はパズルに近いものがありなかなか楽しい。当日は初めてルールを聞いたにも関わらずかなり高いレベルの作品が登場したので驚いたが、制約があるからこその作り易さや面白さがあるのではないだろうか。個人的な話だがこれをきっかけに古語辞典を購入した。

※僕は数学短歌も応援しています

 

2. 二人の萩原

僕の発表。萩原朔太郎萩原恭次郎について紹介したが、割とマイナーな萩原恭次郎を知っている人がいたので驚いた。こういうマイナーなものを知っている仲間がいると謎の親近感が湧いて良い。

Wikisourceに詩集「死刑宣告」がアップロードされているので是非そのエネルギーを感じてみて欲しい。

あとヴァンパイアは性のメタファーです。 

 

3. dp/dtって誰だ?

dp/dtは何とマクスウェルのペンネームだった(理由はこちら)。内容はファラデーとマクスウェルの美しき師弟関係について。数学が苦手なファラデーと二人三脚でマクスウェルが電磁気学の基礎を作り上げたのは聞いたことがあったが、マクスウェルが"アイディアは師匠ファラデーのものであり私はそれに助力したのである"という主旨の文を論文に入れるほどの師弟愛があったとは知らなかった。

発表者のKumaさんは発表後もマクウェル方程式について教えてもらったが解説が抜群に上手かった。学生時代の応用物理で一応やったものの"???"となっていたが、Kumaさんの解説で古の記憶を呼び覚ますと共にようやく仕組みを理解することができた。

 

4. ドット絵の最小限にして究極の美学

僕も大好きなteigiさんの伝道である。前回伝道ではJR東海への愛を淡々としかし力強く伝えてくださったteigiさんの今回の内容はドット絵。まずteigiさんのドット絵作品のクオリティに驚き、さらに制約の中で表現するための技法に刮目した。音楽の世界でもあえて8bit風味にする表現があるが、ドット絵にもそれならではの美しさを感じることができる。

 

5. 目指すは全国100回!

紹介文が夜の世界を想起させるものだったが、内容は献血の伝道であった(びっくりした)。ヴァンパイア、世を忍ぶ仮の姿?など僕の発表と共通する内容があり(本人も言及していた)、親近感が湧くと共に大注目であった。会場は理系が多いのか、おすすめ献血ルーム第1位のつくば献血所にニュートンが置いてあるところでは歓声があがっていた。

これは献血に行かねばなるまい。ところで、献血というと南条あやの時代を思い出すが、今は献血カードで管理されているので大丈夫である(分かる人だけ分かる)。

また、ヴァンパイアは性のメタファーです。

 

6. 数を数えて遊ぼっ!

20分の拡大枠で連続体仮説について解説頂いた。僕は後半でついていけなくなったものの、会場には数学を趣味とする方が多いためかなり盛り上がっていた。伝道は上手かったので、次は是非90分枠でやってもらいたい。

 

7. カードゲームについて

発表者の草場さんはボードゲーム関連ではかなり有名な方らしく、検索すると著作やホームページが色々と出てきて驚いた。今回はヨーロッパ(確かフランス)生まれの歴史あるカードゲーム、ククについて教えて下さり、また終了後にテーブルで実際にプレイされていた。ルールはカードを交換した後オープンして一番弱いカードを持っていた人が負けというシンプルなものだが、いくつか特殊ルールがあり奥深いものになっている。何となくだが酒場で大人な会話をしながらプレイしたいと思った(人生色々)。

 

8. ラスタとベクタ

画像形式のラスタとベクタの違いについてbuchi_yさんが解説。僕も過去に3DCGを趣味としていたことがあり、違いは知っていたが、Googleが作ったフォーマットなど僕の知らない内容もあり、また質疑応答内容が高度で勉強になった。しかしbuchiさん、キャラクターはとても面白くて楽しいです。

 

9. 生物系の博士課程がガチでポケモンを分類してみた

トリは微生物を研究している院生、nkjmさんによるポケモン分類。"ポケモンのは進化じゃなくて変態だろう"というのは前々から僕も思っていた笑 要所要所で微生物を入れてあたりに研究対象への愛が見えて良い。系統樹まで作成するのはさすが生物系院生というところである...個人的にはレアコイル磁性細菌説を推したい。

 

今回は本やグッズの伝道コーナーもありかなり楽しかったので後夜祭までやってしまった。次回も楽しみにしている。

 

ベネッセ全訳古語辞典 改訂版

ベネッセ全訳古語辞典 改訂版

 

 

 

萩原朔太郎詩集 (岩波文庫)

萩原朔太郎詩集 (岩波文庫)

 

 

 

 

映画 パラサイト

ひょんなことから好きな映画の一場面が頭に浮かび、サントラを探したけどやっぱり格好良い〜.全然知らない人の曲と思ってたけどピンクフロイドのカバー曲でした.

 

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これが使われてた映画というのは"パラサイト(原題はFaculty)"という学園ホラーで、B級どころかC級なんて言われちゃうこともあるけど僕は大好きです。


ハイスクールに迫る寄生エイリアン!それに立ち向かう高校生!という話なんですが、キャストがけっこう豪華(な人と後々売れる人).


主演のダメ高校生役はイライジャ・ウッド、不良ケミカル高校生はジョシュ・ハートネット、体育の先生はロバート・パトリック(ターミネーター2の新型ターミネーター!)。

ストーリーは王道ながら、ダメ高校生の主人公、こっそりドラッグを作ってる不良学生、SFマニアのゴス女子などが活躍するというサブカル好きにはたまらない布陣で、監督は学生時代ナードだったに違いない!と思わせるところがあり(ちなみに監督はスパイキッズ作った人)、特に好きなのがドラッグを作っている不良学生(ジョシュ・ハートネット)。


実は後半エイリアンが脱水に弱いことがわかり、ドラッグを作っている不良学生が中心的な役割を果たしていくんだけどとにかく中学生の僕にはこれがとても格好良かった!

ジョシュ格好良いやないの → そうだドラッグを作ろう!となったわけで、つまり僕が後に学士を化学で取ることになるのには大いにこの映画が関係しているのであります.

 

パラサイト [DVD]

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スパイキッズ [Blu-ray]

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時をかけるニート

4/17はプロマネの試験を早めに終わらせ、下北沢に舞台 時をかけるニートを観に行ったんだけどとても良かった。
30年前の(僕が生まれた年だ!)秋葉原に伝説のオタクを探しに(そして腐女子は伝説のBL同人を探しに)行くという話なんだけども、東京電機大学バック・トゥ・ザ・フューチャーガンダムネタや高橋名人ネタなどのサブカルネタを散りばめつつ日本オタクカルチャー史を主軸に据えており、多少なりとも素養のある人間ならば随所で笑えつつまた感動できる作りであった。特にガンオタに観て頂きたいものだ(残念ながら僕はガンダムがあまり分からない.それでも楽しめるくらい面白かった).オタクの理想郷としての秋葉原が確かにそこにあった.
公演は18日までだったけれども、とても面白かったので乱痴気STARTERさんの次回作も是非観たい!

次は池袋にフィーチャーしてもらいたいなぁ

 

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時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

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