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東京伝説 恐怖の方程式1 陽動

もともとホラーは好きだったのですが、夏ということもあり、最近東京伝説というシリーズを読み漁っています。

 

 

シリーズとしては結構古いのですが、「幽霊が出てこない」怖い話が集められており、幽霊が全く怖くない僕にとってはかなり楽しめる内容です。同じく平山夢明さんが関わっている恐怖シリーズとしては「超」怖い話がありますが、こういった実話怪談を集めていく中で、人間の恐怖を感じられる話を集めたのが東京伝説ということのようです。

「人間が怖い話」には独特の魅力があります。幽霊と違い、人間はそのままでは大して怖くありません。そのため、単にストーカーや強盗にしてみたりするだけではなく、安心できる人と思ってたのが実は怖い人だった、実は意外な人同士が繋がっていた、幽霊だと思ったら人間だったなど、様々な味付けがされます。伏線回収の要素もあり、それが実に心地良いのです。

 

さて、こうした怪談を大量に読むうち、裏に隠れた恐怖の方程式に気づくことがあります。僕自身、ホラーサイトに文章を投稿していることもあり、備忘録も兼ねてご紹介していきたいと思います。ただ、あまりパターンに乗っかりすぎていると"オチが読める"ということになるので注意が必要なのですが...今回は陽動パターンです。少し例を紹介しましょう。

 

例1:ホテル

あるOLの元に、有名ホテルの宿泊券が届いた。

出した覚えのない懸賞で当たったとのことだが、問い合わせると確かにそのOL宛だという。折角だったので、友人とありがたく泊まることにした。

ホテルでの宿泊を終えて家に戻ると、金目のものが全て盗まれていた。

壁には「ご協力頂きありがとうございます」と書かれてあった。

問い合わせた電話番号に掛けてみたが、繋がらなくなっていた。

 

例2:車

駐車場に車を停めて休んでいると、幼稚園くらいの女の子が泣きじゃくりながら近寄ってきた。

親とはぐれたのだという。

可哀想なので迷子センターに連れて行こうとすると、女の子は「いいの、いいの...」と少し離れ、再び泣き始める。

何度か同じやり取りをして車から離れた時、何故か女の子が猛ダッシュで逃げていった。

車に戻ると、荷物が盗まれていた。

 

この2つの話に共通しているのは「気を逸らした隙に金品を盗まれる」ということです。陽動作戦はスリ、ひったくりなどの犯罪でも使われる手法であり、リアリティが出る上、話も作りやすいと思います。状況を変える、登場人物を変えるなどしただけで、また違った面白みが出てくるかもしれません。

 

 

東京伝説 堕ちた街の怖い話 (恐怖文庫)

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「超」怖い話 午 (竹書房文庫)

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